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ドイツ銀行の現状について

ドイツで最大の金融機関である、「ドイツ銀行」の経営が傾いています。
1月20日に発表した、2015年通年決算の純利益が67億ユーロ(約8500億円)という巨額の赤字になる見通しとのことです。
年間の赤字額では、金融危機当時の2008年以来で過去最大の赤字幅となっています。
それに伴い、ドイツ銀行の株価は、リーマンショックの時よりも下落しています。
市場では、この“リーマンショック”時のような金融危機が再来することもあり得るとの意見も出ているため、今後の行方に注目が集まっています。

 

ドイツ銀行の、何が問題になっているのか?

ここで、ドイツ銀行を取り巻く諸問題について説明をします。
「ドイツ銀行」は、ドイツにある銀行で、銀行名に“ドイツ”とありますが、日本における“日銀”のような「中央銀行」ではありません。ドイツはユーロ圏にある為、中央銀行は“ECB(欧州中央銀行)”という事になります。
ヨーロッパで最大の経済大国であるドイツの中でも最大の銀行で、世界から見ても、かなり広範囲に金融業務を行っています。

 

しかしながら、先ほど述べたように、ここ最近、同行の経営難が鮮明になってきており、特に2015年の中で「7~9月期」の損失が大きく、この期だけで60億ユーロ(約7600億円)もの損失を計上しています。

 

これほどまでの損失になった原因は、巨額の減損処理が発生したことと、世界中で数千件ともいわれる訴訟を起こされている為です。(これらの訴訟費用は、10億ユーロ(約1300億円)以上と膨大な額となっています。)
訴訟の内容は、LIBOR(ロンドン銀行間取引金利)を不正に操作していた事件が挙げられます。これについては、ドイツ銀行も不正を認め、制裁金を支払う事で合意しています。
しかし、それだけではこの問題は終わらず、このLIBORの不正操作によって損失を被った企業から多くの訴えを起こされております。
このほかに、マネーロンダリング(資金洗浄)関連でも多くの訴訟を抱えています。

 

また、“ドイツ”という国を見てみても、昨年以来、大変な事態が続いています。
大手自動車メーカーのフォルクスワーゲンの排ガス規制逃れ問題が発覚したことや、中東・アフリカからの難民問題などです。これらに、ドイツ銀行の経営難問題が浮上したことで、更に厳しい状況になったと言えるでしょう。

 

以上のように、ドイツ銀行が抱える問題を取り上げましたが、こういったことを踏まえた上でも『ドイツ銀行は破たんしない』と考えられる理由について、以下に述べていきます。

それでもドイツ銀行が破たんしないと考える理由

・現在、同行のデリバティブによる取引金額が、ドイツGDPの20倍にあたる“67兆ユーロ”あります。これは、預金者の預金額(5220億ユーロ)の100倍以上の額となります。

仮に、ドイツ銀行が破綻したとすると、これらの莫大な金額の損失を被ることになり、ドイツ一国の話ではなくなってきます。そこで恐らく、国や国際機関(IMFとか)が支援してくる話になって来ます。
ですので、取引金額が大きいからと言って破たんするわけではないと思います。むしろ、途方もない金額の為、支援を行わないとなれば、世界経済がおかしくなってしまいます。主要国等を中心として“何らかの手を打ってくるのでは”と思われます。

また、そもそもデリバティブの金額と、GDPの金額は関係がありません。あくまで取引金額であるため、これが全部負担額としてかかってくるわけでもないですから、誇大に破たんの可能性を表現している記事が多いのではないかと考えております。

(デリバティブの金額を大きく積み上げている銀行は、他にも沢山あります)

 

・“巨額の赤字や人員削減(2年間で3万5000人)”の要因は、何もドイツ銀行だけの話ではなく、ユーロ圏がマイナス金利を導入した時から、銀行業が利益を上げることの難しさの問題であって、赤字が原因で破たんするという事ではない。
(もちろん、今のままで良いというわけではなく、経営努力をして改善していく工夫が必要なのは言うまでもありません。)
この側面から見ても、低金利下においては、銀行がマイナス金利という厳しさを背負うことにより、企業や産業を支える側面を持つために、経営が厳しい時には、国などからの支援が考えられます。

 

・現在は、リーマンショック時のような、高レバレッジをきかせて収益を得る時代ではなく、ボルカールール※などで厳しい制限がされていること。
自己勘定による債券売買取引などは、銀行にとって多大な利益を生み出す反面、市場がパニックに陥ると損失も大きくなります。ボルカールールは、2008年リーマンショック時の反省から策定されたルールです。
※ボルカールール…銀行の市場取引規制ルールのこと。銀行が自らの資金(自己勘定)で自社の運用資産の効率を図るためにリスクを取って、金融商品を購入・売却また取得・処分をする事を禁止。(2010年夏に成立し、2015年7月21日より全面適用されています。)

以上のようなことから、ドイツ銀行は『破たんしない可能性が高い』と考えられます。

破たんしないとはいっても、楽観視は危険

ただし、ドイツ銀行はギリシャCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)※を多数抱えているので、万が一、ギリシャが破綻という流れになった場合は、注意する必要があります。
※CDS…貸付債権や社債の信用リスクを売買するオプション取引のこと。

 

また、ドイツ銀行が破綻しないにしても、色々な思惑が交錯し、その度に金融市場が荒れる可能性は否定できませんが、今年2月上旬の株価世界同時下落のあたりで、一旦はこれらの金融危機のリスク懸念について、ある程度は織り込まれたのではないかと思います。

 

同行のリストラ策においても、2月12日に、自らが発行した6000億円規模の債券を買い戻すと発表し、金融市場の不安を鎮めようと必死になっています。
(ただし、この中に信用不安の発火点となっていた高リスクの偶発転換社債【CoCo債】は対象に入っていません。)

また、昨年になってようやく経営トップを刷新し、本格的な経営再編に取り組み始めたばかりですので、回復までには、少し長い目で見ていく必要があるかと思います。

問題点は多々ありますし、今後の展開にも目を配る必要はあります。

また、破たんを示唆するような材料には非常に注意が必要ではありますが・・・

この「ドイツ銀行破綻懸念問題」においては、状況を注視しつつも、比較的楽観視のスタンスで良いのではないかと思っております。