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セクター情報原油の下落が止まらない

原油価格の下落が、なかなか止まりません。
2014年7月には、1バレル=約100ドルだったのが、40ドルを割り込むどころか、最近になって、とうとう30ドルさえも割ってしまいました。

OPECにおいては、原油を減産するような動きが一向に見られない為、ますます原油大量供給圧力がかかっている状況です。既存産油国のアメリカのシェールガスに対する対抗策だという事も考えられますが、今年に入り、産油国同士の国交断絶ニュースが出るなどして原油市場が荒れております。

こういう問題は、OPEC加盟国が自分たちの首を絞めることに繋がるため、産油国の苦しい状況は、今後もしばらく続くのではないでしょうか。

2016年も、原油価格は低位で推移するという意見と、そろそろ底打ち反転するとの意見の両方が出ており、こればかりは展開を注視していく必要があるのではないかと思います。

 

原油安の日本への影響

ただ、日本にとっては企業・消費者ともに原油が安いという事は悪いことではありません。
巷では、長く原油安が続くことで世界経済の懸念が強まると言うようなことが囁かれていますが、経済にプラスの効果が出るまで、およそ1年半程度かかると言われています。
先に述べたように、2014年7月から下落が始まっておりますので、そろそろ、その効果が日本経済にジワリと表れてくるのではないかと思っています。

また、この原油や資源価格の下落によって、新興国経済(資源頼りのブラジル・ロシア・インドネシア・マレーシアなど)の状況は、更に厳しいことになるでしょう。

また、世界経済の基本は、量的緩和によるインフレ政策ですので、原油安が株式にマイナスに働くのは仕方のないところです。

 

原油高のメリット・デメリット

原油高・安のメリット、デメリットを紹介します。

【原油安】のメリットは、
原油価格が下落することに伴って恩恵を享受し、それがガソリン価格の下落に繋がる為、“自動車メーカー”には当然プラスに働きます。
更には、自動車走行距離が伸びることで、“タイヤ関連企業”へのメリットになります。
燃料が安くなることで、航空会社や陸運会社、海運会社の業績押し上げ要因にもなります。発電燃料に使われる、重油の下落にも繋がりますので、電力会社の業績にも追い風が吹くことになるでしょう。

逆に、【原油高】のメリットとしては、
原油価格が上昇することで、経済的なメリットを享受し、それがプラスに働く業種の中には、石油開発などの“資源関連企業”があります。
また、エネルギー価格の高騰から、“非鉄金属企業”にも恩恵を受けることが考えられます。
更には、『中近東・ロシア』などの産油地域の経済が活性化することで、石油開発関連などの“プラント関連企業”の受注が増える可能性があります。

また、上にも上げました通り、企業だけではなく株式市場まで広げますと、株式市場にとってはインフレ策が有効となる原油高は、株高につながります。逆に、原油安=株安につながることが、今年の株式市場を見ても鮮明だというのはよくわかると思います。

 

そこで、原油高・原油安によって影響度が大きいと思われる関連銘柄を、それぞれ3銘柄ずつ紹介したいと思います。

【原油安の影響3銘柄】

・ANAホールディングス(9202)
言わずと知れた、日本の代表的な航空会社で、現在、国内線においては首位、国際線2位となっています。
傘下にLCCの“バニラ・エア”と“ピーチ”があります。
“ピーチ”においては、LCCにおいては、現在勝ち組の航空会社となっています。
昨今の訪日外国人観光客の増加に伴い、国際線は絶好調です。また、国内線においても、高単価の客の取り込みが成功し、一人あたりの単価も上昇しております。
そして、これらの好材料に【原料安】の恩恵を受けているので、今後、更なる増益が見込まれます。
また、配当金を連続増配中でもあります。航空チケットの優待券も人気です。

・ブリヂストン(5108)
ここは、タイヤ世界首位の会社です。
アメリカのファイアストン社、バンダグ社を買収し、アジアなどの新興国や特殊タイヤを強化中です。国内事業においては、鉱山用のタイヤの回復が遅れていますが、北米事業は景気回復基調であり、自動車販売が好調で、それに伴いタイヤも売れるという流れから、業績好調となっています。
更に、原油安と円安が効いて、営業利益・最高益を更新中です。
また、M&Aにも積極的で、自動車部品販売のペップボーイズを16年初めまでにTOBすることが決まっています。

・ヤマトホールディングス(9064)
宅配便首位の会社で、国内シェアの4割をここが占めています。
既存の宅配便事業は、Eコマース市場の拡大により増加していますが、規制緩和の影響でメール便が廃止となり、その代わりに始めた『ネコポス』の寄与が下期にずれ込んだため、2017年3月期はメール便の落ち込みが一服する予定となっています。
ただ、なんだかんだ言っても宅配便の分野は、Eコマース市場のさらなる拡大から簡単に崩れるようなものではなく、メール便の落ち込みも一巡してこれば戻していくことでしょう。
代表的な陸運業の企業ですので、もちろん原油安の影響寄与度は大きいです。

【原油高の影響3銘柄】

・日揮(1963)
この会社は、総合エンジニアリング首位の企業で、海外各地で石油・化学・天然ガス関連のプラント建設を手掛けております。
海外超大型案件が順調に進捗していることもあり、営業益が回復し最高益を更新中です。
最近の大きな受注としては、中央アジアのガス案件があります。
原油高になると、産油国である中東地域においてプラント建設などの恩恵が受けられるなどが考えられます。

・JXホールディングス(5020)
新日石と新日鉱HDの経営統合で誕生した会社で、石油精製販売では国内でダントツの首位となっています。
最近の大きなニュースとして、東燃ゼネラル石油(5012)との経営統合のニュースがありました。これにより、国内シェアのおよそ半分をここが占めることになります。
他にも、電力小売り事業や、Tポイントなどの新規の事業や提携も次々に進めています。
石油元売り大手の事業再編が進んでいるため、今後の展開に注目が集まる会社です。
このように、原油安の時に積極的に事業改革を進めているので、原油価格が戻ってこれば、収益に大きく貢献してくることは間違いないかと思います。

・三菱商事(8058)
知名度抜群の総合商社の最大手です。
ですが、今期は原油安と資源価格の下落により、業績に悪影響が大きく響き、長らく続いた総合商社No1の地位を伊藤忠商事に明け渡すことになりそうです。
商社では「資源」と「非資源」と大きくセクターが分かれていますが、ここは代表的な「資源」への傾倒が強い会社です。ですので、エネルギー部門・金属部門で赤字となり、全体を通じて下方修正し、配当も減配となっています。
ただ、裏を返せば、原油高に動いていけば、おのずと業績が回復していくものと考えられます。PBR/PERにおいても、かなりの割安度がでているため、底値圏では買いを検討したい銘柄です。

まとめ

以上のように、原油安と原油高でそれぞれ影響を受ける度合いの強い銘柄を紹介しましたが、ここ最近の原油安については、中国経済懸念と地政学リスクの台頭もありまして、しばらくは下落基調または、下値で停滞しそうな気配がします。

原油がまた、戻りを試していくには、「産油国同士が落ち着きを取り戻す」ことや、「アメリカのシェールガスに対抗する措置を控える」等のことが起きれば、戻りの可能性はありますが、すぐに解決しそうな雰囲気は、今のところ感じられません。

ひとまずは、【原油安】による影響が大きい銘柄に着目していくのが、良いかもしれません。また、原油高銘柄は、散々下げたところでの底値拾いに期待したいところです。